2話 ドリップコーヒーSサイズ

 暇なときに近所のスタバと蔦屋が一緒になってる場所に行くのが趣味。

 

Wi-Fi無限だし、本読み放題だし、コンセントもあるし。

天国に一番近い場所かもしれない。

 

1つだけ欠点を挙げるとしたら、隣の人との距離が近いこと。

もうほんとに近くて、小学校で隣の子と机くっつけてた記憶がよみがえる。

あの時は、カンニングあざっす!って感じだったけど。

 

 

先日も隣におじさんが座ってきて、あーってなった。

美人さんが座ってきてくれたら「ありがとうございます。」なんだけど、

おじさんだと「ごめんなさい。」にしかならないよ。。。

 

 

とりあえず、ここまでが僕の領土ですよって示すために、

買ったドリップコーヒーSサイズをおじさんと自分の間に置いて、国境を設定した。

 

そしたら、そのおじさんも同じことしてきて。

しかも同じ商品。ドリップコーヒーSサイズ。

 

 

これが美人さんだったら、

確実に恋が始まってた。

「この後、一緒に日高屋いきませんか?奢ります。」

って声かけてた。

 

でもおじさんだったから。

いや、国境設定したらそれに付随して領海とか経済水域とかも考慮するでしょって。

そんなことしたら国際問題になりますよって。

 

そんなこんなで、ドリップコーヒーSサイズが横並びの状態になった。

まあいっかって思って、そのままパソコンで自分の作業続けてたんだけど、

 

 

事件は起きた。

 

 

 

 

おじさんがコーヒー飲もうと手を伸ばして、

 

僕のコーヒーをとって口に運んだ。

 

 

大事な場面すぎて、脳内で勝手にスローモーション処理されてた。

 

一瞬、何が起きたのか理解できなくて、固まった。

 

寝坊して目覚まし時計見たとき、針のポジションが明らかにおかしくて、布団の中で固まるときと同じ感覚。

 

え、

ちょっと待って。って

彼女が彼氏にささやくかんじで。

 

おじさん、それ僕の国境線ですって心の中で3回唱えた。

 

 

 

 

そのあと、なすすべもなく、

本来はおじさんの国境線であるドリップコーヒーをもって席を立った。

中身をそっと捨てて、おとなしく家に帰った。

 

 

 

今考えると、

 

国境線作ろうなんてケチな考えしてるお前が悪いんだぞ。

もう世界はグローバル化して、国境なんてなくなってる。

 

って神様からのメッセージだったのかもって思うようになってきた。

 

 

グローバルだから英語は必須だって考えを安易に受け入れるつもりはないけど、

やっぱり話せたらいいなって思う。

 

続くかわからないけど、英語の勉強、始めようと思います。

 

最後まで読んでくれてありがとうございました。